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ベン・モンダー『Amorphae』

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ベン・モンダー『Amorphae』(ECM、2010、13年)を聴く。

Ben Monder (g)
Pete Rende (syn)
Andrew Cyrille (ds)
Paul Motian (ds)

2010年のセッション2曲が故ポール・モチアンと、2013年の4曲がアンドリュー・シリルと、そして最初と最後の2曲がソロ。ふたりの偉大で個性的なドラマーが登場することに驚くが、確かにビル・マッケンリーのグループにおいて共演していたのだった。モンダーも演奏したマッケンリーのヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴのあと、マッケンリーにそのことを訊くと、「ふたりの偉大なドラマーと共演できて幸せだ」とだけ話した。

とは言え、敢えて問わなくてもふたりの個性は際立っている。ここでも、モチアンは他の共演者をその柔軟な鋼のバネの中に呼び込むように伸縮するし、シリルは武道の達人のように静かに見事な演武をみせる。

ベン・モンダーは、ビル・フリゼールやヴォルフガング・ムーシュピールのように、静かに立ち上って浮遊し、静かに去っていくタイプのギタリストだと勝手にカテゴライズしていた。もちろんそれはそうなのだろうけど、思索的に重ねていくことによる重層的なサウンドが印象的。もっと注目して聴いていきたい。

●参照
ビル・マッケンリー+アンドリュー・シリル@Village Vanguard(2014年)
トニー・マラビー『Paloma Recio』(2008年)
ビル・マッケンリー『Ghosts of the Sun』(2006年)


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