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石内都展『Frida Is』

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銀座の資生堂ギャラリーに足を運び、石内都展『Frida Is』を観る。

石内都氏が、フリーダ・カーロの遺品を撮影する様子は、小谷忠典『フリーダ・カーロの遺品―石内都、織るように』というドキュメンタリー映画で視ることができる。カーロの死後50年が経ち、開かずの間にあったさまざまなものが出てきたのだった。

コルセット、義足(カーロは足を切断した)、眼鏡、樹脂の櫛、ガラスの小さな薬瓶、ホーローの容器、あざやかな色のドレス、布の鞄、ショール。石内氏はそれらに対し、マイクロニッコール55mmF2.8を装着したニコンF3にコダック・エクター100を詰めて、次々に迫り、次々に撮っていった。小さな汚れや染みを凝視することは、そのような行為でもあった。確かに映像と同様に、写真からも、撮影する石内氏の息遣いと、死んだはずのカーロの息遣いとがシンクロするようなリアルさを感じざるを得なかった。

それはそれとして、写真は、ピンボケやブレが目立つことがわかった。行為の凝着が大事なのだとしても、これはちょっと違うのではないか。大御所であれば許されるのか。

●参照
小谷忠典『フリーダ・カーロの遺品―石内都、織るように』


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