ジャズ・ガウロンスキー『Jaruzelski's Dream』(clean feed、2008年)を聴く。
Jazz Gawlonski:
Piero Bittolo Bon (as, smartphone)
Stefano Senni (b)
Francesco Cusa (ds)
「ジャズ・ガウロンスキー」とはアルトサックスのピエロ・ビットロ・ボン(PBB)を中心としたグループ名であり、おそらくは、イタリア出身のジャーナリスト・政治家にしてポーランド語も堪能であったジャス・ガウロンスキーの名前をもじっている。そしてタイトルは、『ヤルゼルスキの夢』。ヴォイチェフ・ヤルゼルスキはポーランドの政治家であり、かつてレフ・ワレサの政敵として民主化を弾圧もした。
・・・というような仕掛けがあっても、それはおそらくは言葉遊びなのだろう。関係があるとすれば、苛烈な攻撃、それからアイロニー。
PBBのアルトは確かに何者かに対して苛烈であり、手を緩めずにずっと攻め続けている。ときにロリンズやドルフィーを思わせる瞬間などあるが、そんなことは関係ないと言わんばかりに力技で最後まで攻め吹く。シニカルで哄笑的にも感じられる。
●ピエロ・ビットロ・ボン
ピエロ・ビットロ・ボン(Lacus Amoenus)『The Sauna Session』(2012年)
ピエロ・ビットロ・ボン『Mucho Acustica』(2010年)