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アーマッド・ジャマル『Freeflight』

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アーマッド・ジャマル『Freeflight』(Impulse!、1971年)を聴く。

Ahmad Jamal (p, el-p)
Jamil Nasser (b)
Frank Gant (ds) 

どうやらアーマッド・ジャマルは本盤ではじめてエレクトリック・ピアノを使ったようなのだが、70年代のファンキーでスピーディーな感じになるのではなく、あくまでジャマルのサウンドになっていることが面白い。音は揺れ動き、コアの美味しいところを取らずに軌道から離れたり戻ってきたり。(一方、ベースはいかにも古くさく苦笑してしまう。)

それはアコースティック・ピアノでも同じことであって、旋律の周辺を探るようにして断片を提示するスタイルがとてもいい。そんな風にしてちょっとずつサウンドを積み重ねてゆく「Poinciana」が嬉しい。

本盤では、ハービー・ハンコックの「Dolphine Dance」を演奏している。前年の『The Awakening』(Impulse!、1970年)にも同じメンバーで収録された曲であり、そこではジャマルのスタイルで純化されたような実に美しい演奏を行っていた。比べようと思って改めて聴いてみると、やはり惚れ惚れする。軍配は『The Awakening』に上がる。

Ahmad Jamal (p)
Jamil Nasser (b)
Frank Gant (ds) 

●参照
アーマッド・ジャマル

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