Quantcast
Channel: Sightsong
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2923

『News from the Shed 1989』

$
0
0

『News from the Shed 1989』(EMANEM、1989年)を聴く。

John Butcher (ts, ss)
Phil Durrant (vln, electronics)
Paul Lovens (selected ds, cymbals, saw)
Radu Malfatti (tb, zither, accessories)
John Russell (g) 

ジョン・ラッセル+フィル・デュラン+ジョン・ブッチャー『Conceits』(1987、92年)に記録されているように、最初はこのトリオだった。それに加え、パウル・ローフェンスとラドゥ・マルファッティが参加して、またミニマリズムとは違った様相を呈している。

誰もが中心に座っておのれだけでサウンドを創ろうとはしていない。むしろ、敢えて、周縁から空虚なる中心(バルト?)に向かって、あるいは明後日の方角へ、サウンドの最終形を一次的には想定することなく、無数のフラグメンツをまき散らしているようだ。それらの無力でありかつ強力でもあるフラグメンツは、互いに引き合い、反発し合い、その結果として茫洋とした宇宙を形成している。

確かにブッチャーもラッセルもローフェンスも、そのための独立性と自由を持っている。こうなれば模索過程も覗き込んでみたいところ。

●ジョン・ブッチャー
ジョン・ブッチャー+高橋悠治@ホール・エッグファーム(2015年)
ジョン・ブッチャー+ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ『So Beautiful, It Starts to Rain』(2015年)
ジョン・ブッチャー+トマス・レーン+マシュー・シップ『Tangle』(2014年)
ロードリ・デイヴィス+ジョン・ブッチャー『Routing Lynn』
(2014年)
ジョン・ブッチャー@横浜エアジン(2013年)
ジョン・ブッチャー+大友良英、2010年2月、マドリッド(2010年)
ジョン・ブッチャー+マシュー・シップ『At Oto』(2010年)
フレッド・フリス+ジョン・ブッチャー『The Natural Order』(2009年)
ジョン・ブッチャー『The Geometry of Sentiment』(2007年)
デレク・ベイリー+ジョン・ブッチャー+ジノ・ロベール『Scrutables』(2000年)
ジョン・ラッセル+フィル・デュラン+ジョン・ブッチャー『Conceits』(1987、92年)

●パウル・ローフェンス 
アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ『ライヴ・イン・ベルリン』(2008年)
シュリッペンバッハ・トリオ『Gold is Where You Find It』(2008年)
パウル・ローフェンス+パウル・フブヴェーバー+ジョン・エドワーズ『PAPAJO』(2002年)
高瀬アキ『St. Louis Blues』(2001年)
シュリッペンバッハ・トリオ『Detto Fra Di Noi / Live in Pisa 1981』(1981年)
シュリッペンバッハ・トリオ『First Recordings』(1972年) 

●ジョン・ラッセル
ドネダ+ラッセル+ターナー『The Cigar That Talks』(2009年)
ジョン・ラッセル+フィル・デュラン+ジョン・ブッチャー『Conceits』(1987、92年)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2923

Trending Articles