ブーガルー・ジョー・ジョーンズ『What It Is』(Prestige、1971年)を聴く。
ピーター・バラカンが『ミュージック走査線』(新潮文庫、1993年)でジャケットを掲載していた盤であり、ずっと気になっていた。運よくアナログのオリジナル盤を手に入れた。なお、同書ではバラカン氏は多くを語っていないものの、かれについて「限りなくヒップ」だとの賛辞を贈っている。
Boogaloo Joe Jones (g)
Grover Washington Jr. (ts)
Butch Cornell (org)
Jimmy Lewis (b)
Bernard Purdie (ds)
Buddy Caldwell (congas, bongos)
ギターにオルガン、甘いテナーサックスと、典型的といえば典型的なソウル・ジャズのフォーマットだが、だからこそ異常なほど気持ちがいい。アナログの音であるからさらに気持ちがいい。
ブーガルーのギターは線が太く歌いまくる。確かにグラント・グリーンの影響なんかもあるのかな。そして、リズムを取っているだけなのにいつもカッチョいいと思えてしまう、バーナード・パーディのドラムス。いちどロンドンで、まさにグリーンの息子のギターとリューベン・ウィルソンのオルガンとのトリオを観たが、酸欠になって倒れかけるほど興奮した。パーディはどや顔でキメキメのドラムスを叩いているだけなのに。(リューベン・ウィルソンにお釣りをもらったこと)
曲は、ブーガルーのオリジナルに加え、ビル・ウィザーズの「Ain't No Sushine」、キャロル・キングの「I Feel the Earth Move」といったソウル~ロックの流行歌。馴染みがないのでYou Tubeで原曲を探して聴き、改めて本盤を再生するとまた愉しい。
ジョー・ジョーンズはフィリーとパパだけではない。
●ブーガルー・ジョー・ジョーンズ
ブーガルー・ジョー・ジョーンズ『Right on Brother』(1970年)