フローリアン・ウェーバー『Criss Cross [exploring the music of Monk and Bill Evans]』(Enja、2014年)を聴く。
Florian Weber (p, fender rhodes)
Donny McCaslin (sax)
Dan Weiss (ds)
サブタイトルの通り、セロニアス・モンクとビル・エヴァンスの曲集である。といって、懐古趣味でもない。
最初は、ずいぶん綺麗であっさりしていて、まるでミネラルウォーターのようだなと物足りなく思っていたのだが、繰り返し聴いていると色々とじわじわ届いてくる。ワイスは変拍子を何ということもなくこなし、マッキャスリンもさらりとビシビシ吹く。一聴物足りないのは、手作り感とか破綻しそうな危うさとかいったものがないからである(本当はそちらのほうが好きなのだが)。しかし、人間の放つハイテクに耳を貼り付けると、面白いことばかり。
●参照
ダニー・マッキャスリン@55 Bar(2015年)
ダニー・マッキャスリン『Fast Future』(2014年)
ダニー・マッキャスリン『Casting for Gravity』(2012年)