フランソワ・キャリア+ミシェル・ランベール+ポール・ブレイ+ゲイリー・ピーコック『Travelling Lights』(Justin Time Records、2004年)を聴く。
François Carrier (as,ss)
Michel Lambert (ds)
Paul Bley (p)
Gary Peacock (b)
フランソワ・キャリアはカナダ・ケベック州のサックス奏者。過去にデューイ・レッドマンと共演した盤もあり興味を持ってはいたのだが、本盤ではさほど目立たない。というよりも、相手はポール・ブレイとゲイリー・ピーコックであり、明らかに役者が違う。
2曲目あたりからピーコックの香り高いピチカートが耳に残ってくる。そして3曲目の「Oceania」以降、ブレイがブレイらしさを発揮する。研ぎ澄まされた和音の美しさはもとより、その指の動きによって、タイム感まで完全に支配してしまう。たぶんブレイのファンであればここで間違いなく嬉しさに慄くことであろう。美しさの結晶は、6曲目の「Africa」の後半や7曲目の「Sea」などで惜しみなくあらわれる。
ブレイとピーコックのデュオとしては、名作『Partners』が思い出されるが、こうなるとデュオだろうと何だろうと関係ないのだ。
不思議なことに、ミシェル・ランベールのドラミングにポール・モチアンのそれが憑依したように感じる。
●ポール・ブレイ
ポール・ブレイ『Solo in Mondsee』(2001年)
ポール・ブレイ『Synth Thesis』(1993年)
ポール・ブレイ『Homage to Carla』(1992年)
ポール・ブレイ『Plays Carla Bley』(1991年)
ポール・ブレイ+ゲイリー・ピーコック『Partners』(1991年)
ポール・ブレイ+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン『Memoirs』(1990年)
チェット・ベイカー+ポール・ブレイ『Diane』(1985年)
イマジン・ザ・サウンド(1981年)
アネット・ピーコック+ポール・ブレイ『Dual Unity』(1970年)
ポール・ブレイ『Barrage』(1964年)
ポール・ブレイ『Complete Savoy Sessions 1962-63』(1962-63年)
●ゲイリー・ピーコック
プール+クリスペル+ピーコック『In Motion』(2014年)
ゲイリー・ピーコック+マリリン・クリスペル『Azure』(2011年)
テザード・ムーン『Triangle』(1991年)
ポール・ブレイ+ゲイリー・ピーコック『Partners』(1991年)
キース・ジャレット『North Sea Standards』(1985年)
キース・ジャレット『Standards Live』(1985年)
ローウェル・デヴィッドソン(1965年)