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クリス・デイヴィス+エリック・レヴィス@Body & Soul

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南青山のBody & Soulで、今回2度目のクリス・デイヴィスとエリック・レヴィスのデュオ(2018/4/7)。

Kris Davis (p)
Eric Revis (b)

最初はセロニアス・モンク「Ask Me Now」からの2曲、どうも物足りない。しかし3曲目になり、粘着テープを使ってのプリペアド、途中でいきなりデイヴィス、レヴィスともに爆発する。この極端な展開を受けとめられるふたりのキャパシティがあってこその面白さである。5曲目はやはりモンクの「Evidence」であり、レヴィスのウォーキングベースも、低音をこけおどしでなく使ったデイヴィスともに見事。カーラ・ブレイの「Sing Me Softly of the Blues」では、デイヴィスは長いイントロのあと悠然と主旋律を零すように弾いた。

セカンドセット。2曲目でふたたび粘着テープをピアノ内の弦に貼り、板で鍵盤を琴のように弾く。こんなことができるのかという驚きがある。4曲目のジュリアス・ヘンフィルの曲になり、レヴィスはやっと弓で弾きはじめた。最後にテープを剥がす効果とともにレヴィスが音を発し、場が笑いに包まれる。そして小品が続き、アンコールはスタンダード「My Old Flame」。キース・ジャレットの演奏がそうであったように、和音をやさしく積み重ねていく短い演奏だった。

それなりに見どころがあったのだが、新宿ピットインでの演奏ほどには圧倒されない。スタイルや選曲をハコに合わせたのだろうか。しかし、日本だからといって「ジャズ」寄りにしたのだとすれば、それは間違った選択だっただろう。面白くはあってもアドレナリンは出なかった。

●クリス・デイヴィス
クリス・デイヴィス+エリック・レヴィス@新宿ピットイン(2018年)
クリス・デイヴィス『Duopoly』(2015年)
イングリッド・ラブロック、メアリー・ハルヴァーソン、クリス・デイヴィス、マット・マネリ @The Stone(2014年)
マックス・ジョンソン『In the West』(JazzTokyo)(2014年)
イングリッド・ラブロック(Anti-House)『Roulette of the Cradle』(2014年)
トム・レイニー『Obbligato』(2013年)
イングリッド・ラブロック(Anti-House)『Strong Place』(2012年)
スティーヴン・ガウチ+クリス・デイヴィス+マイケル・ビシオ『Three』(2008年)
クリス・デイヴィス『Rye Eclipse』、『Capricorn Climber』(2007、2012年)

●エリック・レヴィス
クリス・デイヴィス+エリック・レヴィス@新宿ピットイン(2018年)
オリン・エヴァンス+エリック・レヴィス@新宿ピットイン(2016年)
カート・ローゼンウィンケル@Village Vanguard(2015年)
エリック・レヴィス『In Memory of Things Yet Seen』(2014年)


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