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即興パフォーマンス in いずるば 『今 ここ わたし 2017 ドイツ×日本』

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大田区のいずるばにおいて、即興パフォーマンス in いずるば 『今 ここ わたし 2017 ドイツ×日本』(2017/12/10)。

齋藤徹(コントラバス)
矢萩竜太郎(ダンス)
大塚惇平(笙、うた)
ヤシャ・フィーシュテート(ダンス)
ユーディット・ヴィルヘルム (ダンス)
石川勇太(ダンス)
皆藤千香子(ダンス)
荒川創也 (美術、パフォーマンス)

インプロのダンス、音楽、アートのパフォーマンスを2セット。次々に、その直前の展開を受けて変わり続ける展開があり、意思と意志が場に充満した。

ダンサー5人の持ち味の違いはとても面白いものだった。ヤシャさんは幾何学的でメカニカルな動き。ユーディットさんは鳥が大らかに飛翔するような円環を描く。石川さんは水が流れるようでいて、悲しみの感情も身にまとっている。矢萩さんはその都度泡立つような感覚、ヴァイブレーションか。そして皆藤さんは何かを一身に引き受けて、上下左右にそのエネルギーを弧として形作り消滅させる。

ヤシャさん、ユーディットさん、石川さんが、知恵の輪というか人間の輪のように自ら絡まり相手を引っ張る姿に見とれていると、テツさんの弦の音が響き、心臓がどきりとした。コントラバスによる音の擾乱の横で、大塚さんの笙は、場のエーテルを創り続けている。また、荒川さんのアートは、それを描き出す音がサウンドの一部となり、ときにはカリカチュア化された人間のように介入した。

物語性を説明しがたいというのは矛盾か、しかし、物語性は物語ではない。矢萩さんとユーディットさんとの一体不可分の関係と離別と再会、幽霊のような石川さんの哀しみ、荒川さんが紙をばらばらに引き裂くことの象徴的なもの、音楽があるムードに引き寄せられてゆくことの諦念、……。そんななかで、皆藤さんが介入して場を活性化させるとき、そこには広場やトラフィックが創出された。それこそが人びとの集まる社会という物語のように思えた。

Fuji X-E2、XF60mmF2.4、XF35mmF1.4

●齋藤徹
『小林裕児と森』ライヴペインティング@日本橋三越(2017年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+齋藤徹@横濱エアジン(JazzTokyo)(2017年)
長沢哲+齋藤徹@東北沢OTOOTO(2017年)
翠川敬基+齋藤徹+喜多直毅@in F(2017年)
齋藤徹ワークショップ特別ゲスト編 vol.1 ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+佐草夏美@いずるば(2017年)
齋藤徹+喜多直毅@巣鴨レソノサウンド(2017年)
齋藤徹@バーバー富士(2017年)
齋藤徹+今井和雄@稲毛Candy(2017年)
齋藤徹 plays JAZZ@横濱エアジン(JazzTokyo)(2017年)
齋藤徹ワークショップ「寄港」第ゼロ回@いずるば(2017年)
りら@七針(2017年)
広瀬淳二+今井和雄+齋藤徹+ジャック・ディミエール@Ftarri(2016年)
齋藤徹『TRAVESSIA』(2016年)
齋藤徹の世界・還暦記念コントラバスリサイタル@永福町ソノリウム(2016年)
かみむら泰一+齋藤徹@キッド・アイラック・アート・ホール(2016年)
齋藤徹+かみむら泰一、+喜多直毅、+矢萩竜太郎(JazzTokyo)(2015-16年)
齋藤徹・バッハ無伴奏チェロ組曲@横濱エアジン(2016年)
うたをさがして@ギャラリー悠玄(2015年) 
齋藤徹+類家心平@sound cafe dzumi(2015年)
齋藤徹+喜多直毅+黒田京子@横濱エアジン(2015年)
映像『ユーラシアンエコーズII』(2013年)
ユーラシアンエコーズ第2章(2013年)
バール・フィリップス+Bass Ensemble GEN311『Live at Space Who』(2012年)
ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹@ポレポレ坐(2011年)
齋藤徹による「bass ensemble "弦" gamma/ut」(2011年)
『うたをさがして live at Pole Pole za』(2011年)
齋藤徹『Contrabass Solo at ORT』(2010年)
齋藤徹+今井和雄『ORBIT ZERO』(2009年)
齋藤徹、2009年5月、東中野(2009年)
ミシェル・ドネダと齋藤徹、ペンタックス43mm(2007年)
齋藤徹+今井和雄+ミシェル・ドネダ『Orbit 1』(2006年)
明田川荘之+齋藤徹『LIFE TIME』(2005年)
ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹+今井和雄+沢井一恵『Une Chance Pour L'Ombre』(2003年)
往来トリオの2作品、『往来』と『雲は行く』(1999、2000年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ+チョン・チュルギ+坪井紀子+ザイ・クーニン『ペイガン・ヒム』(1999年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ『交感』(1999年)
久高島で記録された嘉手苅林昌『沖縄の魂の行方』、池澤夏樹『眠る女』、齋藤徹『パナリ』(1996年)
ミシェル・ドネダ+アラン・ジュール+齋藤徹『M'UOAZ』(1995年)
ユーラシアン・エコーズ、金石出(1993、1994年)
ジョゼフ・ジャーマン 


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