ルーカス・リゲティが初来日し、東京ではFtarriでのソロ(2025/3/3)、bar issheeで内橋和久とのデュオ(2025/3/4)。内橋さんは20年ほど前にフレッド・フリス、ヘンリー・カイザーとのカルテットで演奏して以来だという。僕自身は10年前の2015年にNYの旧Stoneでマリリン・クリスペル、ミシェル・マカースキーとの共演を観て以来。
Lukas Ligeti (Marimba Lumina, ds)
Kazuhisa Uchihashi 内橋和久 (g, daxophone)
MIDIコントローラのマリンバ・ルミナはエンジニアのドン・ブックラにより開発された楽器であり、リゲティさんの使うものはオクターブ2.5ヴァージョン。このあとに3.5ヴァージョンや筐体が湾曲したヴァージョンが出たそうで、製造数は極めて少ないらしい。リゲティさんによれば、ドン・ブックラさんはとても物静かで難しい人であったようだ。その楽器を使い、リゲティさんはアフリカの打楽器の音も、電子的な音も出す。マレットの種類や接し方によっても音が異なるし、スライドさせても独特の効果がある。
このおもしろさは翌日のドラム演奏とも共通していた。グルーヴやノリというものが特定の雰囲気を維持させるもの、なにかを憑依させるものだとして、かれのプレイはそれとは無縁。過去やサウンドの「ねらい」とは切り離されたことによる自由があった。内橋さんも自由を享受しているようにみえた。
Fuji X-E2, XF35mmF1.4, 7Artisans 12mmF2.8
●ルーカス・リゲティ
マリリン・クリスペル+ルーカス・リゲティ+ミシェル・マカースキー@The Stone(2015年)
●内橋和久
U9@公園通りクラシックス(2025年)
内橋和久+李俐錦@千駄木bar isshee(2024年)
田中悠美子リサイタル2024・義太夫三味線の音響世界@晴れたら空に豆まいて(2024年)
アルタードステイツ@湯島Bar道(2024年)
I-I(内橋和久+山本達久+坂口光央)@代々木上原Hako Gallery(2024年)
内橋和久+謝明諺@千駄木Bar Isshee(2023年)
内橋和久+とうめいロボ@千駄木Bar Isshee(2023年)
天鼓+内橋和久「天ノ橋 地獄巡」@秋葉原Club Goodman(2023年)
内橋和久+カール・ストーン@千駄木Bar Isshee(2023年)
内橋和久+田中悠美子@千駄木Bar Isshee(2023年)
高瀬アキ+ダニエル・エルトマン+内橋和久+中山晃子『複数の時間』@ゲーテ・インスティトゥート東京(2022年)
内橋和久+広瀬淳二@千駄木Bar Isshee(2022年)
内橋和久+松丸契@千駄木Bar Isshee(2020年)
ロジャー・ターナー+喜多直毅+内橋和久@下北沢Apollo(2019年)
サインホ・ナムチラック+内橋和久@八丁堀ハウル(2019年)
内橋和久+サーデット・テュルキョズ@Bar Isshee(2018年)
ユーラシアンオペラ東京2018(Incredible sound vision of Eurasia in Tokyo)@スーパーデラックス(2018年)
ロジャー・ターナー+広瀬淳二+内橋和久@公園通りクラシックス(2017年)
U9(高橋悠治+内橋和久)@新宿ピットイン(2017年)